「ん? あれって…もしかして天の川……?」
野宿の夜――
焚き火から少し離れた所で何気に満点の星空を堪能していたは、眉を顰めてそう呟いた。
日本で見る夜空とは違って、頭上には満点の星空が広がっている。
その中でも星々の多く連なった一帯を見つけ、そう言えばそろそろそんな時期かもと気付いたのだ。
「ねえ、天の川って何?」
「あれ、天の川知らない?」
独り言を拾ったカロルが好奇心旺盛に尋ねてきて、は意外だなと目を瞬かせた。
地球とこのテルカ・リュミレースは不思議なことに月が満ちる周期も見える天体も同じみたいだし、てっきり知っているものとばかり思ったが。
「私もそういう川は聞いたこと無いです」
「それってどこの川よ? アンタってこの辺の出身なの?」
夕食の後片付け当番を終えたらしいエステルとリタも加わってきて、はラピードの背中を擦りながら苦笑した。
「川の名前ってのはちょっと違うんだな。天の川はね…――ほら、あれ。あっちからこっちにかけて広がってる天にある星の川のことだよ」
「ええ? どこどこ?」
の指さす方を見ようと、カロルが傍に来て懸命に空を見上げる。
エステルも駆け寄ってきて、リタも呼ぶと仕方なさそうに寄ってきたので、はちょっとしたハーレム状態になって自然と頬を緩ませた。
「――なーにやってんだ、お前ら?」
「それって新しい遊びか何か?」
辺りに魔物の気配が無いかを探りに行っていたユーリとレイヴンが戻り、団子のように固まって空を見上げているたちを見て不思議そうに首を傾げた。
端から見れば確かにおかしな光景だろうと苦笑して、は自慢げに二人に笑う。
「へへーいいでしょ、ハーレム。羨ましい?」
「……くっ、羨ましい! 少年とワンコはいらないけど、おっさんもその中に混ざりたい!」
「あのなぁ……」
レイヴンもユーリも想像通りのリアクションだったが、そのユーリの手に握られていたものには目を瞠った。
「笹の葉! どうしたの、それ!」
「ささの葉? ああこれのことか。どうしたってその辺に生えてたのを、草むらつつく棒代わりに使ってただけなんだが……」
「まさに渡りに船! 七夕に笹の葉!」
「は? たなばた……って何だ?」
怪訝そうなユーリと、レイヴン、そしてくっついて空を見上げていたエステル、リタ、カロル、ラピードを見渡して、はにっこり微笑んだ。
「折角天の川もキレイに見えることだし、みんなで七夕やろうよ!」
まずはもっとデッカイ笹の葉を取りに行く!
七夕飾りと言えばカラフルな折り紙の飾りだけど……
短冊にお願い事を書いてみよう!