エステル「本当に綺麗なところです……こんな場所があるなんて、お城に居たらきっと一生知らないままでした」
フレン「……でしたら、こうやって旅をなさった甲斐もありましたね」
エステル「はい!」
ユーリ「良かったなー、エステル。――ほら」
エステル「わっ! な…何するんですか、ユーリ!……て、花冠?」
ユーリ「ん? お姫様はそういうのの作り方も知らねーか?」
エステル「作り方って……え!? コレ、ユーリが作ったんです!? こういうのってそんなに簡単に作れるものなんです!? フレンも!?」
フレン「お恥ずかしながら昔はそうやって遊んでいました。懐かしいですね……」
ユーリ「何なら、作り方教えてやろうか?」
エステル「はい! 作ってみたいです!」
ユーリ「けど、エステルは結構不器用だからなー」
エステル「そんなことないです! きっとユーリより上手くなってみせます!」
レイヴン「おーおー、三人で花冠なんて作っちゃって。若人たちは青春よのー」
「ほんと、可愛いよねー」
レイヴン「……て、ちゃんも随分たくさん摘んでるじゃないの。やっぱり女の子よねー! 可愛いとこあるじゃない!」
「そ…そんなんじゃないよ。私の場合、目的がなきゃこんなことしないし」
レイヴン「何々、もしかして、俺様に花冠作ってくれるとか?」
「……欲しいなら作るけど? 本当ーにレイヴンが、良い年して花冠かぶる勇気があるなら、ね」
レイヴン「……スミマセンでした―! ほんの冗談でしたー!」
「分かればよろしい」
レイヴン「……しくしく、おっさん悲しい。……でも、じゃあなんでそんなにいっぱい要るの?」
「んー、ちょっとしたお小遣い稼ぎってやつ」
レイヴン「へ?」
「さっきの街で、私が花束売ってたら超高値で買うって言ってくれたおじさんが居たから」
レイヴン「花束売るって……ちょっ…ダメダメダメーーーーー!! 絶対駄目ー!!」
「うわっ、何すんの、レイヴン! 折角摘んだ花が……っ」
レイヴン「何すんのって、ちゃんこそ何てことすんの!! お小遣い足んないなら俺様がその辺の魔物狩ってくるから!!」
「えっ、ほんと?」
レイヴン「ホントホント!! だからちゃんは絶対にそんなことしちゃ……」
「でもそれはそれ、これはこれ。お金はいくらあっても困らないし」
レイヴン「だからって……!!」
フレン「……ユーリ。は、女性が道ばたで花束を売る意味を知らないのかい?」
ユーリ「花って……ああ、そういや、さっきの街に結構居たな、日稼ぎの娼婦。……って、変なとこで常識に疎いとこがあんだよなー」
フレン「普段しっかりしてるからって、こういう時は君にしっかりして貰わなければっ……!」
ユーリ「なっ…何だよ、急にデカイ声出して。今回はおっさんが気付いて止めたんだし、もう平気だろ」
フレン「っ…………」