※こちらは、友人からいただいた戦国BASARA夢連載「狐花」のイメージイラストを元にして書いた短編夢です。
夢主のビジュアルが出てくる夢絵が苦手な無い方はご注意ください。
「ねぇ、いいじゃないですか! お祭り行きましょうよ!」
「祭なんざ毎年やってるじゃねーか」
「だって今年はいろんなお店が臨時に屋台出してくれてるんですよ!?」
国主とその恋人の半ば喧嘩腰の会話に、周りの家臣はまたかと呆れ気味だったが、はへこたれなかった。
そもそも、彼女の恋人――政宗だって祭などというイベント事は好きなのである。
彼が率先してを誘い、は後ろ髪引かれつつも仕事を理由に難色を示す――というのが常のパターンなのだが、今回は全く逆だった。
しかし、政宗が片付けたい仕事というのはにしてみれば後に回せるものである。
政宗もそれを分かっているが、彼がそれを後に回したくないのは、後日に幸村と手合わせの約束をしているからに他ならなかった。
つまり、と祭に行くよりも、幸村との手合わせの方が大事だと言われているも同然なのである。
仮にも恋人であるは当然おもしろくない。
だから彼女は最終兵器を出した。
「……前に慶次さんに連れて行ってもらった時は楽しかったのになぁ……」
ぴくりと政宗が反応したのを確かめ、気づいていないふりで先を続ける。
「この前甲斐に帰った時は佐助と幸村とも一緒に行って、幸村ってば甘いものとか簪やらを山ほど買ってくれて、髪に差してかわいいって……」
「――I see. I surrender.(分かった、降参だ)」
大きなため息と共に、政宗は筆を置いた。
そして不敵に笑う。
「祭だったな――good. 何が簪だ、他の男と行ったことなんざ忘れるくらい楽しませてやる」
「楽しみにしてます、darling」
そして後日繰り出した城下の夏祭り――
はちらちらと視線を集めることに気恥ずかしさを覚えながらも、概ねご機嫌だった。
隻眼で美丈夫の政宗はただでさえ目立つというのに、この日の為にと仕立ててくれた浴衣はよくよく見れば大変上物で、誰が見ても一発で独眼竜と虎姫だとバレバレなのである。
は花菱、政宗は笹と、それぞれの家の家紋をモチーフにした柄で誂える辺り、相変わらずのセンスの良さも見せつけている。
けれど、それも全部自分を喜ばせる為なのだと思えば、祝福ムードで注目されることすら嬉しく思えた。
「ちゃん、新作持って行きなよ!」
「ありがとうございます、佐原屋さん」
「これも持っていきな、自信作だぜ!」
「ありがとう、山代屋さん」
これもこれもと次々に屋台から渡されて、一回りする頃には二人の両手はいっぱいになっていた。
顔を見合わせて思わず吹き出してしまう。
「お前、ほんとに相変わらずだな。どんだけ城下掌握してんだよ」
「政宗さんだって、いっぱい貰ってたじゃないですかー」
一頻り笑って、二人で町の人の好意を口いっぱい頬張る。
「Hey honey」
「え?」
顔を向けたところを体ごと抱き寄せられて、かと思えばリンゴ飴を掴んでいた手を掴まれて、食べかけのそれを一口で浚われた。
急に触れそうなほど顔が接近し、は硬直する。
「あめぇー」
悪びれも無く言われた言葉にはっと我に返り、赤くなったままわなわなと震えた。
いつもいつも突然の不意打ちを仕掛けてはの反応で遊んでいることを知っているので、素直に怒るのも癪だったが、バクバクと五月蠅く騒ぐ心臓はどうにもならなかった。
「Ah--nn? どうしたhoney. 顔が赤いぜ? もしかして何か期待したか?」
「っっ…政宗さんが私のリンゴ飴食べちゃったから怒ってるんですよ!」
「はーん、そいつは悪かったな。何なら返そうか、kitty?」
とっくに飲み込んでいる癖に徐に顔を近づけてくる政宗を突き飛ばし、はっと我に返ったが罪悪感を感じているのを見越して、代わりとばかりに手を繋いでくる。
それを赤い顔で受け入れて、二人で今度はゆっくりと静かな川べりを歩いた。
天下が平和になり、爆弾から派生した花火が綺麗に夜空を彩っている。
「どうだ、。俺と行った方が祭も何倍も楽しいだろーが」
子供っぽい言葉に苦笑して、は慶次や幸村を思い出して考えた。
そしてふるふると首を横に振る。
「テメェ……」
「楽しいっていうか……幸せです」
「夏祭り」 / コロン様 090901
相方のコロンからサイト9周年のお祝いにいただきました!
半ば強奪したような感じだったので、罪悪感感じてSS付けさせていただきました。
本人は「スルメでタイを釣った!」とか無邪気に喜んでましたが、そもそも私の気まぐれで
描かされたことは忘れている様子……平和って大切ですね。うん。
ありがとうございましたコロン様!
CLAP