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拍手お礼 − 戦国BASARAドリーム






There is no accounting for taste. −"好き"に説明はいらない−


 風がふわりと揺れて、傍らを行く女の髪を乱した。

「? どうしたんですか?」

 問われて初めて、無意識にその頭を撫でていたことに気付いた。

 新緑が眩く、薫風が気持ち良い午後。
 何の予定も無くぶらりと散歩に出てきた城の搦手門からの道は、他に誰の人影も見当たらない。

 とにかく、問われたバツの悪さを誤魔化すように咳払いする。
 ゴミがついていたとでも言おうとして、ふと歩みを止めた。

 賑やかな伊達家で、いつもは誰かしらが一緒だが、今日は久しぶりに二人きりだった。

 こんな時くらい素直になってみてもいいかもしれない。

に触りたくなったから、触っただけだ」

 どんな反応をするのか……
 いつも一方的にからかう時とは違い、わずかに緊張しながら見守る。

 彼女は顔を真っ赤に染め上げて、とっさに振り払おうと手を上げた。
 しかしそれも中途半端な状態で止まる。

 こちらと同じことを考えたのか、困ったような逡巡するような表情を浮かべ、やがて観念したように、はにかんだ笑みを向けてきた。

「私も、政宗さんにこうされるのは……好きです」









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